日銀函館支店 景気改善も人手不足感強い

日銀函館支店が発表した短観=企業短期経済観測調査で、道南地方の企業の景気判断を示す指数は前回の調査を1ポイント上回り、3期ぶりに改善しました。一方、人手が足りているかどうかを示す指数は過去最低の水準で人手不足感が強まっています。

日銀函館支店によりますと、今回、3月の調査で、景気の現状について「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を差し引いた指数は全産業でプラス12ポイントと、前回12月を1ポイント上回り3期ぶりに改善しました。
非製造業で横ばいだった一方で、想定よりも価格転嫁が進んだ製造業で3ポイント改善したことが要因です。
一方で、企業に従業員の数が「過剰」と答えた企業の割合から「不足」と答えた企業の割合を差し引いた指数では、人手不足感があるとマイナスになりますが、全産業でマイナス42ポイントとなり、過去最低となった前回から3ポイント改善したものの、人手不足感が続いています。
3か月後の見通しについては、全産業でマイナス48ポイント、特に、非製造業でマイナス59ポイントとなっていて、観光のハイシーズン入りで一段の深刻化を見込んでいます。
日銀函館支店の中村慎也支店長は、「採用難が続き、退職者分の穴埋めも進められない構造的な問題に陥っている」としています。