十勝港でコンテナ船の定期航路開設へ試験運航

十勝の広尾町にある十勝港で2006年以来となるコンテナ船の定期航路の開設に向けた試験運航が8日行われ、貨物を積み降ろす手順などを確認しました。

試験運航を行ったのは香港の海運大手と兵庫県のコンテナ船会社です。
両社は十勝港と神奈川県の横浜港など京浜地区を結ぶ航路に今年度中に週に1往復程度、コンテナ船を運航する方針で最終調整しています。
8日は十勝港にコンテナ船1隻が着岸し、試験用の空のコンテナ1つを積み降ろして、安全に作業を行うための手順などを確認していました。
十勝港に定期航路が開設されれば2006年以来で、ジャガイモや小麦など地元の農産物の取り扱い量の拡大や、規制の強化でドライバー不足が懸念される、いわゆる2024年問題の対策にもつながると期待されています。
広尾町役場港湾課の安岡伸弘課長は「十勝港の活用を通じて地域の活性化につなげたい。また、道東やオホーツク海側での物流面の課題を解決するお手伝いができれば」と話していました。

【NHK帯広 堀内優希記者の目】
このニュースのポイントは「港の強化で対応2024年問題」です。
トラックドライバーの時間外労働の上限規制が適用され、人手不足の深刻化が懸念される「2024年問題」。
国内有数の食糧基地である十勝地方でも喫緊の課題です。
現在、十勝港では、基本的にばら積みの貨物だけを扱っているため、箱詰めされた野菜などは苫小牧や小樽など道内のほかの港から送り出しています。
コンテナ船の定期航路の開設で十勝港から送り出せる貨物の種類が増えれば、港までトラックで運ぶ距離が短くなり、運輸業者の負担が減ることが期待されています。
地元の広尾町では、港の物流強化で2024年問題に対応するとともに、企業誘致や雇用の創出、ひいては人口減少対策にもつながると期待を寄せています。