新1年生 交通事故に気をつけて! 注意点や交通安全ソング

道内で歩行中の小学生が巻き込まれた交通事故の過去5年間のまとめでは、小学1年生が関係するケースが全体の3割以上を占めて最も多くなっています。

北海道警察本部のまとめによりますと、歩行中の交通事故による小学生の死傷者は、去年までの5年間であわせて371人いて、学年別では▼1年生が116人と最も多く、▼次いで2年生が83人、▼3年生が54人と、1年生から3年生までの低学年が全体のおよそ7割を占めています。
警察が過去5年間の歩行中の事故を分析したところ、安全を確認せずに路上に出てしまう「飛び出し」による死傷者が79人いて、その半数近い35人が小学1年生となっています。
また、▼登下校中の事故がおよそ6割を占め、▼時間帯としては、午後2時台が最も多く、次いで午後3時台、午前7時台の順に多くなっています。
事故が起きる場所は交差点が多く、▼信号のある交差点の横断歩道を横断していたケースが全体の3割以上を占め、▼横断歩道のない交差点を横断していたケースも全体の2割近くにのぼっていました。
【新1年生対象の交通安全教室】
札幌市の小学校で、入学式を終えた新1年生を対象にした交通安全教室が開かれ、子どもたちが警察官から横断歩道を渡る際の注意点を教わりました。
札幌市中央区にある札幌市立三角山小学校では、8日午前中に入学式に出席した新1年生およそ30人を対象に、交通安全教室が開かれました。
会場には、簡易的な信号機と、横断歩道が描かれたマットが設置され、警察官が横断歩道を渡る際の注意点を新1年生に説明しました。
警察官は、▼横断歩道を渡る際は車が来ていないか確かめることや、▼歩行者用の信号が青に変わっても、必ず左右を見てから手を挙げて渡るよう伝えていました。
新1年生たちは、信号が青になったことを確認すると、左右をよく見て、元気よく手をあげて横断歩道のマットの上を歩いていました。
男子児童のひとりは、「道路を渡るときは手をあげるようにします」と話していました。
また、参加した保護者は、「子どもには元気に遊んで欲しいですが、道路近くでは必ず周りに気を配るよう伝えたいです」と話していました。
【道路を歩く際の注意点は】
札幌市の小学校で交通安全教室を開いた、札幌西警察署の工藤亮一交通第一課長に、道路を歩く際の注意点を聞きました。
まず、信号機のない横断歩道を渡る際には、車が確実に止まるまで待つことが重要だといいます。
信号機がない横断歩道では、車が子どもに気づかず、通過してしまうおそれがあります。
このため、横断歩道を渡る際は、左右を確認して手をあげるだけでなく、両方向から来る車が確実に止まるまで待つことが必要だということです。
また、見通しの悪いT字路の交差点では、左右から車が走ってきていないか、より慎重になって確認し、歩くことが大切だといいます。
札幌西警察署に近い札幌市西区の住宅街にある、信号機も横断歩道もないT字路の交差点では、車で走ると、合流する道に人がいても、「へい」が死角となって気づきにくいということです。
この交差点では、過去に、小学生が走ってきた車にはねられそうになったことがあるということです。
工藤課長は、「小さな子どもは先のことに気持ちが向いてしまい、左右をよく確認しないで渡ってしまうことがあります。保護者は、通学路などを子どもと一緒に歩いて、危険な場所とかないか確認してほしい」と話していました。
【交通安全ソング「ててて!とまって!」】
歩行中の交通事故が特に多いのが7歳前後の子どもたちとなっていることから、NHKは、小学生に事故から身を守ってもらおうと、「ててて!とまって!」という交通安全ソングを制作しました。
歌の中では、横断歩道を渡る際に▼車が来ていないか確かめることや▼車に止まってもらうため渡る前に手をあげて運転手に合図を送ることを紹介しています。