新生活の必需品「パソコン」 価格高止まりで“中古品”に注目

【パソコン価格が“高止まり”】
新年度を迎え、就学や就職で新たにパソコンを買い求める人が増える時期になりました。ただ、パソコンの価格は高止まりの傾向を見せています。
民間の調査会社「MM総研」によりますと、去年1年間の国内のパソコンの平均価格は11万4499円と、前の年より7000円近く上がりました。
2021年までは9万円前後で推移していましたが、ここ2年は続けて10万円を超えています。
円安によって部品の価格や海外での生産コストが上がったことが主な要因だということです。
【中古のパソコンに注目】
新品のパソコンの価格が高止まりする中、注目が高まっているのが割安な中古品です。
札幌市内の中古パソコンを扱う販売店では、この4月に大学に入学した学生やその家族などから問い合わせが増えているといいます。
この店では新品で買うと10万円以上するパソコンが5年前の製品では5万円程度、10年前だと3万円程度で購入でき、保証もつけられるということです。
店によりますと、学生向けには、基本的な性能を備えた比較的低価格で持ち運びがしやすいサイズの商品が人気だということです。
「じゃんぱら札幌店」の米沢裕弥店長は「近年は新品のパソコンの性能に頭打ち感があり、中古でも性能の高い商品があるため、手頃感のある価格で手に入れやすくなっている」と話していました。
【学生 “手ごろさを重視”】
大学でふだんパソコンを使っているという学生からは、手ごろさを重視するという声も聞かれました。
大学2年の学生は「新しいパソコンを大学入学時に買う余裕がなく、高校からそのまま使っているのでそろそろ買い替えたいですが値段が高いとちゅうちょしてしまう」と話していました。
別の学生は「入学時はどんな機能が必要かわからず性能の高いものを買いましたが、使ってみるとそこまでよいものでなくても十分だとわかったので、もし買い替えるなら安い中古品も探そうと思います」と話していました。
【中古品選びの注意点は】
「MM総研」の中村成希取締役は中古品を選ぶ際の注意点としてパソコンの基本ソフト=OSを確認して欲しいと話します。
OSのうちマイクロソフトの「ウィンドウズ10」のサポートが来年10月に終了することから、そのまま使い続けると安全性が低下するおそれがあるということです。
また、今後の価格の見通しについては「円安の状況が変わらない場合、少なくとも下がることはない」として、しばらくは価格の高い状態が続くと指摘しています。