知床沖の流氷からマイクロプラスチック検出 北見工大など

生態系への影響が懸念されているマイクロプラスチックが、世界遺産の知床沖の流氷から検出されたとする研究結果を、北見工業大学などの研究グループがまとめました。

「マイクロプラスチック」は、大きさが5ミリ以下の微細なプラスチックで、分解されない上、有害物質を付着しやすいため生態系への影響が懸念されています。
こうした中、北見工業大学の大野浩准教授などの研究グループは、おととし2月から去年2月にかけて、世界遺産の知床沖で流氷を採取し調べたところ、マイクロプラスチックが検出されました。
流氷から検出されたマイクロプラスチックは、0.1ミリ以下の極めて小さいものが中心で、流氷の底に近い部分の密度は、ほかの部分の2倍ほどの値だったということです。
大野准教授によりますと、下部の密度が高いのは、▼流氷が大きくなる過程で海水中のマイクロプラスチックが取り込まれた可能性や、▼流氷の中にある塩分濃度が高い水が下に移動する作用に伴い、流氷の中のマイクロプラスチックも下に移動した可能性が考えられるということです。
流氷の底付近の海中では、魚のえさになる植物性プランクトンが成長するため、魚がプランクトンと一緒に食べてしまうなど、海の生態系への影響が懸念されます。
大野准教授は「流氷がプラスチックを運んでいることや、食物連鎖への影響をしっかり調べる必要がある」と話しています。