「紅麹」 旭川の菓子店で自主回収 札幌の通販会社でも

「小林製薬」の「紅麹」の成分を含む健康食品を摂取した人が腎臓の病気などを発症した問題で、旭川市にある菓子メーカーが「紅麹」を使った4つの商品の自主回収を始めました。このメーカーによりますと、これまでに健康被害は確認されていないということです。

この問題は、小林製薬の「紅麹」の成分を含む健康食品を摂取した人が腎臓の病気などを発症しているもので、2人の死亡事例も明らかになり、会社の本社がある大阪市は27日、会社に対し、3つの製品の回収を命じる行政処分を出しました。
こうした中、北海道旭川市にある菓子メーカー「ロバ菓子司」は「小林製薬」が製造した「紅麹」を使った商品の自主回収を始めました。
自主回収の対象は「ロバ菓子司」が製造・販売した▼「釜蒸し蔵」と▼「さくらシフォン」、▼「釜蒸しケーキ」と▼「黒だべー」の4つの商品です。
このうち、「釜蒸し蔵」と「さくらシフォン」、それに「釜蒸しケーキ」は、販売をみあわせた25日までに旭川市内の直営店で、3273個販売されたということです。
また、「黒だべー」は札幌市や旭川市の土産店やスーパーなどで1862個販売されたということです。
この菓子メーカーによりますと、これまでにこれらの商品による健康被害は確認されていないということです。
メーカーは購入した人に対して商品を店舗に持ち込むか、着払いで返送するようホームページ上で呼びかけているほか、午前9時から午後6時まで問い合わせ窓口を設けています。
電話番号は0120−30−3961です。
「ロバ菓子司」は「手元に商品があれば召し上がらず、最寄りの直営店まで持ってきていただくか、問い合わせていただきますようお願い申し上げます」としています。

【旭川市長「心配、不安のある人は保健所に連絡を」】
旭川市の今津寛介市長は27日開いた定例の記者会見で、「健康被害は確認されていない」としたうえで、「引き続き情報を収集して被害の情報があれば迅速に対応する必要がある。今回の紅麹を使った製品について心配や不安のある人は旭川市保健所まで連絡してほしい」と呼びかけました。
また、今津市長は「今後も市民に情報を周知していくが、因果関係がはっきりしない状況なので、国の動向を見たり、道の意見を聞いたりしながら、しっかりと対応していきたい」と述べました。

【札幌の通販会社は一部製品を販売中止・自主回収】
札幌市にある通信販売会社、「サンセリテ札幌」は一部の自社製品の販売を中止するとともに自主回収を始めていることを明らかにしました。
会社によりますと、対象となっているのは「EPA&紅麹モナコリンK」という自社製品のサプリメントで製造を委託している道外の工場に確認したところ、小林製薬の「紅麹」を原料として使用していたことが分かったということです。
これまでに、健康被害などは確認されていないとしています。
「サンセリテ札幌」は、この商品を誰が購入したか把握できているということで、その顧客に対し、商品の使用を中止するよう呼びかけるとともに、自主回収を始めたことを連絡したということです。
「サンセリテ札幌」は、問い合わせを平日午前9時から午後5時まで受け付けています。
電話番号は0120−131ー234です。

【このほか道内で自主回収や健康被害の情報なし】
このほかに商品の自主回収の動きや健康被害の情報は、27日午後4時半の時点で、道内各地の保健所に入っていません。