道 魚放流行う市民団体などに4月から事前相談求めることに

川に魚を放流し過ぎると生態系に影響すると指摘する研究結果が報告されていることを受けて、道は来月から、釣りや環境教育を目的に放流を行う市民団体などに、事前の相談を求めることになりました。

道内では、川釣りのための魚を増やしたり、環境教育を行ったりする目的で、釣り団体や市民団体によるサクラマスなどの放流活動が各地で続けられています。
しかし近年、▽放流で魚の過度な生存競争が起きると川全体で魚が減るおそれや、▽もともといた魚と交雑すると海に下る率が低下するなど、生態系への影響を指摘する研究結果が相次いで報告されています。
これを受けて、道は来月から、市民団体などが放流を行う際、道や道立総合研究機構などに事前に相談するよう求めることになりました。
放流を規制する法的な拘束力はありませんが、放流が生態系に悪影響を及ぼしかねないと考えられる際には、計画の見直しも含め、助言するということです。
道はこれまで一部の外来魚の放流を禁止してきましたが、在来魚の放流について注意喚起を行うのは初めてのことです。
水産資源に詳しい水産研究・教育機構の長谷川功主任研究員は「放流のリスクを事前に検討出来るしくみを行政が作る意義は非常に大きい。放流を一方的に否定するものではなく、放流で目的が達成できるのか、そのほかの手段がないか、検討するきっかけになればいい」と話しています。
【魚増やす目的の放流“逆効果か” 研究結果相次ぐ】
道内では、魚を増やすための放流が逆効果になりかねないと指摘する研究結果が報告されています。
北海道では、サクラマスを増やそうと、長年、稚魚の放流が続けられてきましたが、親になって戻ってくる割合が低いなど、その効果が課題となっていて、対策が検討されてきました。
こうしたなか、北海道立総合研究機構や、アメリカ東部にあるノースカロライナ大学などの共同研究チームは、サクラマスの放流について、北海道内の31の河川で調査したデータをもとに、放流後、川に生息する魚の数がどのように変化していくのかを統計学などを用いて算出しました。
その結果、▽放流が大規模に行われている河川ほど、すべての種類の魚の数が減る傾向があり、さらに、▽大規模な放流を繰り返せば繰り返すほど、魚の中には、とうたされていなくなってしまう種類も出てくるとする解析結果が出ました。
研究チームは、川の生態系の許容量を超えた大規模な放流を行うと、エサや住みかの奪い合いになり、生態系のバランスが崩れてすべての種類の魚の減少につながってしまう可能性があると指摘しています。