舞台の駅が廃止に 映画「鉄道員」のカメラマンが講演

JR根室線の富良野・新得間が今月31日を最終運行日として廃止されるのを前に、沿線の駅が舞台になった映画「鉄道員(ぽっぽや)」を撮影したカメラマンが、撮影当時の思い出や鉄道廃止への思いを語る講演会が23日開かれました。

JR根室線の富良野駅から新得駅の区間は、今月31日の最終運行のあと廃止されて、バス輸送に転換されます。
廃止区間のうち、南富良野町にある幾寅駅は、平成11年に公開された映画「鉄道員」の中で、俳優の高倉健さんが駅長を務める「幌舞駅」として登場しました。
23日、「鉄道員」を撮影したカメラマンの木村大作さんを招いた講演会が南富良野町で開かれ、会場には町民などおよそ130人が集まりました。
木村さんは、ロケ地として幾寅駅を選定する過程に関わったということで、講演では、「撮影のロケ地を選ぼうと道内を回っているときに、偶然、幾寅駅に立ち寄った。健さんが駅舎から階段でホームに上がっていく姿を想像したときに、その情緒にほれて、即決した」などと駅の魅力を話していました。
一方で幾寅駅も廃止されることについては「思い出深い幾寅駅に列車が通らなくなることはとても残念だ。なんとか町民の皆さんががんばって、この情景を残してほしい」と激励を込めて語っていました。
講演を聞いた20代の女性は「『鉄道員』は多くの人の思いや努力が込められた映画だと感じました。幾寅駅は町民に愛されて、すごく大事にされている駅だと思います」と話していました。