2100人余が犠牲 函館大火から90年で追悼の法要

函館市で2100人余りが命を落とした「函館大火」の発生から90年となる21日、犠牲者を追悼する法要が営まれました。

法要は函館市大森町の慰霊堂で行われ、遺族や消防の関係者などおよそ30人が参列しました。
函館大火は、90年前の昭和9年3月21日、函館山のふもとの住宅から出た火が強風にあおられ、当時の市街地のおよそ3分の1が焼けた火事で、2166人が犠牲になりました。
当時、大勢の人が避難を急ぎましたが、函館大火では、木造の橋が崩落したり、焼け落ちたりするなどの悲劇も重なり、焼死した748人を上回る917人が溺死し、被害が拡大した要因ともされています。
21日の法要では慰霊堂に僧りょの読経が響く中、参列した人たちは、静かに手を合わせ、犠牲者を悼んでいました。
大火で祖父とおじを亡くした75歳の女性は、「親からは、『当時、風が強く吹いていて、橋が崩落し、人々が川に落ちてたくさんの遺体が上がった』などの話を聞かされていました。きょうも来たよと報告しました」と話していました。
また、大火でおばを亡くした78歳の男性は、「2度とこのような惨事を起こしてはなりません。函館大火の悲惨な記憶はだんだん薄れていますが、元気なうちは毎年お参りしたいと思います」と話していました。