厚岸町 中心部に津波避難ビルを初確保 所有企業と協定

千島海溝沿いの巨大地震が起きた際の大津波に備えて、道東の厚岸町は、津波の際に逃げ込める「津波避難ビル」を町の中心部に初めて確保し、ビルを所有する企業と19日、協定を結びました。

新たに「津波避難ビル」として使われるのは、厚岸町の中心部の真栄地区にある「NTT厚岸ビル」で、鉄筋コンクリート造り3階建ての建物です。
19日は厚岸町役場で協定の締結式が行われ、若狭靖町長と「NTT東日本ー北海道」の北垣雅之・北海道東支店長が「津波避難ビル」の使用について協定書を交わしました。
真栄地区では千島海溝沿いの巨大地震の津波で最大で7メートル近く浸水すると想定されていますが、高さが10メートル近くあるビルの3階部分や屋上で100人以上が避難することが可能だということです。
また、このビルはふだんは施錠されていますが、津波警報が発表された際は、自動的に鍵を開けるシステムを導入するということです。
この地区では高台に位置する道の駅に避難することになっていますが、高齢者や障害者などが避難に時間がかかることも予想されるため、今回、初めて避難ビルを確保しました。
若狭町長は「町民の命を守る責務があるので今後も、適切な建物があれば協力をお願いしていきたい」と話していました。