エゾシカ被害の正確な調査結果は? 標津町で報告会

農業被害や交通事故が各地で深刻な問題となっているエゾシカについて理解を深めてもらおうと、地域住民を対象にした研究機関による調査の成果報告会が標津町で行われました。

標津町では、14年前から大学や研究機関などと連携して鳥獣被害対策に取り組む「アニマルプロジェクト」と題した活動を行っていて、今月15日に標津町の川北地区で開かれた報告会には、町民ら約40人が集まりました。
この日は道立総合研究機構の担当者が道内におけるエゾシカによる農林業被害の現状について、2021年度の被害額が約45億円に上ることが紹介されました。
ただ、こうした経済的な被害は、農家による申告に頼ることが多く、正確なデータが乏しいため、今年度までの3年間で、牧草地を鉄製ワイヤーで編んだ柵で囲った区画と囲っていない区画で被害の程度を調べたところ、牧草の収穫量の差は平均で20%あったというデータがとれたということです。
標津町では、より正確な被害データの把握に向けた取り組みを進めていくことにしていて、標津町農林課の長田雅裕係長は「研究で分かったことを農協や農家などと共有しながら新しい捕獲方法も含めてシカ対策につなげたい」と話していました。