インフルエンザ再流行 学校欠席は過去最多 原因と対策は

道内ではインフルエンザの流行が今シーズン2度目の拡大を見せています。特に子どもの感染が拡大していて、札幌市では市立の小中学校でインフルエンザの欠席者が今シーズン3万人を超え、この10年で最も多くなっています。

道内ではインフルエンザの流行が去年12月4日に週に一度目のピークを迎え、年末年始にかけて収束したもののことし1月22日の週から再び増加に転じ、今シーズン2度目の流行が広がっています。
先週の1つの医療機関あたりの感染者数は、▽道内全体で35.01人と、▽全国の16.14人の2倍あまりとなっているほか、▽札幌市では44.35人とさらに多くなっています。
道内では30の保健所のうち、札幌市など16の保健所で警報が発令されています。
感染は特に14歳以下の子どもで広がっていて、札幌市中央区の小児科では、18日もインフルエンザの疑いで受診する子どもが多く見られました。
発熱した5歳の娘の受診に訪れた母親は、「38度6分の高熱が出たため受診しました。インフルエンザの場合、私も仕事を休まないといけないのでしっかり検査したいです」と話していました。
札幌市教育委員会によりますと、市立の小学校と中学校でのインフルエンザでの欠席者数は今シーズン、18日までにあわせて3万6259人が報告され、▽これまでで多かった平成27年から28年にかけてのシーズン全体の1万3045人、▽令和元年から2年にかけての1万3290人と比べても2倍以上に上り、過去10年で最も多くなっているということです。

【小児科医「大流行 1回目はA型 2回目はB型 型入れ替わり再流行」】
インフルエンザにかかった子どもを診察している札幌市中央区の「円山ため小児科」の多米淳院長によりますと、今シーズンは、大きな流行が2度あることがこれまでと大きく異なるということです。
この小児科では全道の傾向と同様、1回目と2回目の流行でウイルスの型が入れ替わり、1回目はA型が、現在の2回目ではB型がはやっているということです。
去年1度A型に感染した子どもがことし2月から3月にかけて再びB型に感染するケースが非常に多いということです。
2度の流行が起きている原因について、多米医師は、▽新型コロナの感染拡大時にインフルエンザへの感染がほぼ見られなかったことで、子どもたちの免疫が低下していることや、▽新型コロナが収束したことで、国内外からの観光客が北海道に多く訪れるなど、人の流れが活発になっていることなどが考えられるとしています。
多米医師は、「一度、A型に感染してもB型に感染するリスクは依然として高く、手洗いやマスクの着用など新型コロナの際に行っていた対策を徹底してほしい」と話していました。

【子どもの感染対策は】
「円山ため小児科」の院長、多米淳医師に子どもの感染対策について聞きました。
多米医師は▼学校などから帰ってきたらすぐに手を洗うこと、▼必要に応じてマスクを着用するといった基本的な対策に加えて、▼体調が悪いときには早めに医療機関を受診することが大切だと話しています。
また学校が春休みになれば子どもどうしの接触が減るため、感染者が減ると予想される一方、今の時期は旅行や引っ越しなどで人の動きが多いため感染のリスクは依然として高いと指摘します。
そのうえで「高熱など体調が悪いときは飛行機などによる移動の日程をずらすことも視野にいれてほしい」と話していました。
また家庭内で感染者が出た場合の感染対策としては▼部屋の換気をこまめにして▼家の中でもマスクを着用すること、さらに▼感染した人とは別の部屋で生活することなどが効果的だと話していました。