工場で爆発2人死亡事故の裁判 元社長に禁錮2年の実刑判決

11年前、釧路市にあった原料メーカーの工場で化学物質のアセトンの引火による爆発が起き従業員2人が死亡した事故で、業務上過失致死の罪に問われた元社長に対し釧路地方裁判所は、「危険は予見できた」として禁錮2年の実刑を言い渡しました。

釧路市にあった原料メーカー「バイオマテックジャパン」の元社長、工藤義昭被告(81)は11年前の2013年7月、法律の規定を超える量のアセトンを工場で使用し爆発事故を引き起こした結果、従業員2人を死亡させたとして、業務上過失致死の罪に問われていました。
これまでの裁判で、検察が「爆発を防止する措置を講じるべきだったのにそれを怠った」として禁錮2年6か月を求刑したのに対し、弁護側は「事故は予見できなかった」として無罪を主張していました。
15日の判決で、釧路地方裁判所の井草健太裁判長は「事故が起きる以前、アセトンが漏れ出したことがあり、被告もその事実を把握していた。危険を予見することはできたといえる」と指摘しました。
その上で「何ら対策を講じることなく漫然と放置していて、過失の程度は相当大きい。経済的な利益を重視し、アセトンの取扱量をむしろ増やす内容の指示さえしていて、くむべき事情はない」として工藤元社長に禁錮2年の実刑を言い渡しました。
弁護士によりますと、判決を不服として控訴する方針だということです。