日銀函館支店 景気持ち直しのペース鈍化

日銀函館支店は3月の金融経済概況を発表し、道南の景気について「持ち直しのペースが鈍化している」として、前回と同じ判断に据え置きました。

日銀函館支店が発表した道南の金融経済概況によりますと、「個人消費」では、食料品や日用品の購入を節約しようとする行動が根強い一方で、節分やバレンタインといったイベント関連の消費や春物衣料の売り出しが好調で、潜在的な消費意欲の高さがうかがえるということです。
「雇用」については「持ち直している」としていて、事業者のなかでは、採用や従業員の定着を意識して賃上げへの意欲が高まっているということです。
その一方で、賃上げの原資となる企業収益に関する項目を見ますと、「公共投資」では、持ち直しの動きが一服し、「設備投資」では横ばい、「住宅投資」では弱い動きとしています。
こうしたことを踏まえ、道南の景気について「持ち直しのペースが鈍化している」として、前回と同じ判断に据え置きました。
経済の先行きについて日銀函館支店は、「賃上げが今後どこまで広がり、その上げ幅がどうなるのかや、賃上げが個人消費にどのように結びつくのか注視する必要がある。また、春以降に集客のピークとなる観光を失速させないことがポイントになってくる」としています。