解任の北大前学長 処分取り消し求める訴え 退ける 札幌地裁

大学の職員らに威圧的な言動をしたなどの理由で解任された北海道大学の前の学長が国と大学に処分の取り消しなどを求めていた裁判で、札幌地方裁判所は原告の訴えを退ける判決を言い渡しました。

北海道大学の名和豊春前学長(69)は4年前、大学の職員らに威圧的な言動をしたなどの理由で解任されましたが、「事実誤認で、解任の手続きは違法だ」として、国と大学に処分の取り消しとおよそ1500万円の賠償を求めていました。
13日の判決で札幌地裁の右田晃一裁判長は「大学の選考会議が認定した事実は威圧的なふるまいや過度な叱責、不必要な業務の指示など多岐にわたっていて、職員を困惑させ大学の信用を失墜させるもので、解任処分の判断は正当といえる」と指摘しました。
そのうえで、選考会議による判断に裁量権の逸脱や乱用は認められないとして、原告の訴えを退けました。
閉廷後の記者会見で原告の名和前学長は「それなりの証言や証拠を提出したが、望んでいた結果にならず申し訳なく思う」と話していました。
控訴するかどうかについては今後、判決内容を検討して決めたいとしています。
判決について、北海道大学は「本学の主張が認められたものと認識している」とのコメントを出しました。