函館 バス事故運転手「意識消失」診断 過労やストレス起因か

去年12月、函館市で路線バスが乗用車に次々と衝突し、6人がけがをした事故で、50代のバスの運転手は事故のあと医療機関で過労やストレスに起因した可能性のある「意識消失」と診断されたことがわかりました。

去年12月、函館市五稜郭町で「函館バス」の路線バスが、交差点付近で次々と乗用車に衝突した上、100メートル余り走行し、あわせて5台の乗用車に衝突して6人がけがをしました。
58歳のバスの運転手は、事故のあと、「意識もうろうとして事故を起こしてしまった」と話していましたが、その後、循環器内科が専門の医療機関で精密検査を行った結果、運転中に意識を失う「意識消失」と診断されたことが関係者への取材で新たに分かりました。
検査では心臓などに異常は見られなかったものの、医師からは「過労やストレスに起因した可能性がある」と指摘されたということです。
バスの走行中に運転手が意識を失うなど健康状態に起因する事故は、おととしまでの過去5年間に道内で41件に上るなど各地で相次いでいます。
交通機関の安全対策に詳しい関西大学の安部誠治名誉教授は「事業者の多くが運転手の確保に苦労し、高齢化も進んでいる。運転手自身の健康管理はもちろんだが、事業者も運転手任せにせず、より1人1人の体調管理に注意を払うことが重要だ」と指摘しています。