津波災害に備えて 豊頃町大津地区に津波救命艇配備

千島海溝を震源とした巨大地震による津波に備えようと豊頃町の沿岸部に住民が避難に使う津波救命艇が新たに配備され、住民たちが見学しました。

新たに配備された津波救命艇は全長9メートル、幅3メートル余りで、25人が乗ることができます。
大きな波の衝撃で船体が逆さになってもすぐに元どおりに戻る安定性があり、津波が到達する前に乗り込めば、中で救助を待つことができます。
きょうは津波救命艇が配備された豊頃町の大津地区の住民約20人が船内を見学し、担当者から船内には1週間分の食料が備蓄されていることや、衛星を使って位置情報を外部に発信できる仕組みがあることなどについて説明を受けていました。
町ではことし5月にもこの津波救命艇を使った避難訓練を行うほか、地域の集会などでも使用してもらい、利便性などを確認することにしています。
見学した70代男性は「地区には車を運転できないお年寄りも多いので、非常にありがたい。この船が地域にあることが安心材料の1つになる」と話していました。
豊頃町では、千島海溝を震源とする巨大地震で最大22.3メートルの津波が想定されています。
豊頃町の按田武町長は「津波救命艇をどのように活用して避難を進めていくかについて、地域のみなさんと今後しっかり議論していきたい」と話していました。