【解説】ススキノ男性殺害 起訴の判断は 今後の裁判は

3人の起訴について、道警担当の小田切健太郎記者が解説する。

Q親子3人がそれぞれ起訴されたが、検察はどう判断したのか?
Aまず娘の瑠奈被告については、逮捕された当初から、被害者を殺害した実行犯とみられていた。
その根拠のひとつとして、防犯カメラの映像があげられる。
NHKが入手した現場付近の防犯カメラの映像には、事件が発覚する前日、白っぽい服装の人物が大きなスーツケースを引きながら被害者と一緒にホテルに入って行く姿が確認できる。
入室してから3時間後の映像では、黒っぽい服装にマスクの人物が1人で出てくる。
いずれも瑠奈被告とみられ、こうした状況などから客室で被害者を殺害したと、検察も判断したとみられる。
一方で、両親は、いずれも殺人での起訴を見送った。
父親は車でホテルまでの送り迎えを行ったほか、凶器の刃物を購入したり、自宅でビデオを撮影したりしていたことがわかっているが、あくまで殺人などを手助けしたにとどまると判断した。
母親も被害者の頭部を自宅に隠すことを容認したうえで、娘が遺体を損壊することについても、手助けしたにとどまると判断した。

Q起訴に至るまでおよそ半年という異例の鑑定留置が行われた。3人は事件についてなにか話しているか?
A検察は6日、3人の認否について明らかにしなかった。
捜査関係者や弁護士によると、これまでの調べに対し、容疑を否認したり、黙秘したりしていたということだ。
ただ鑑定留置に入る前に行われた手続きでは、両親が事件について語っていた。
この中で両親は、事件は娘が1人で起こしたことであとになって知ったと主張した。

Q今後、どう進んでいくのか。
A殺人や殺人のほう助の罪に関しては裁判員裁判の対象事件のため、娘と父親については審理に入るまでの手続きに時間がかかる。
このため、母親だけが先に審理される可能性があり、裁判がどう進んでいくかも注目される。
法廷の場で3人が何を話すのか、そしてなぜこのような事件が起きたのか、引き続き取材を続けていきたい。