招致活動停止「虹と雪のバラード」地下鉄駅での放送取りやめへ

招致活動の停止を受けて、札幌市は地下鉄で放送している1972年の札幌オリンピックのテーマ曲、「虹と雪のバラード」をとりやめることになりました。

「虹と雪のバラード」は1972年に開催された札幌オリンピックのテーマ曲です。
NHK札幌放送局がオリンピックの愛唱歌として制作し、札幌医科大学の教授を務めた詩人の河邨文一郎さんが作詞しました。
フォークデュオの「トワ・エ・モワ」が歌って大ヒットし、札幌を代表する曲として定着。
オリンピックから半世紀が経過したいまも学校やコンサートで合唱されるなど、多くの道民に愛されています。
また札幌市中央区の大倉山ジャンプ競技場には歌の記念碑が設置されていて実際に曲を聴くこともできます。
オリンピックの前の年に開通した札幌市営地下鉄では、2回目の大会招致を目指す機運を高めようと、2019年から3路線あわせて26の駅でメロディーを放送してきました。
大通駅のホームでは列車が到着する際に曲のサビにあたる「生まれかわるサッポロの地にきみの名を書くオリンピックと」をアレンジした電子音がおよそ10秒間流れます。
地下鉄の利用客からはとりやめを惜しむ声に加えて52年前のオリンピックを懐かしむ声も聞かれました。
50代の女性は「この何年間、いつも聞いていてウキウキするような感じがしていたのでちょっと寂しいです」と話していました。
30代の女性は「電車の到着を知らせるなじみのあるメロディーだったのでとりやめは寂しく感じます」と話していました。
札幌オリンピックを観戦したという70代の男性は「この音楽を聴くことでジャンプやスケートなど当時の思い出を懐かしんでいた」と話していました。
また別の70代の男性は「学生時代にみんなで一緒に歌ったことを思い出していたので聞けなくなるのは残念です」と話していました。
招致活動の中核を担ってきた札幌市招致推進部の奥村彰大渉外担当部長は「招致に向けた機運を高めることが大きな目的だったため、活動の停止により放送とりやめを判断した。オリンピックのメロディーとして多くの市民に関心や愛着をもっていただき大変ありがたく感じている」と話していました。
市によりますと▽南北線は来月14日に▽東西線は15日に▽東豊線は16日にとりやめるということです。