増毛町の果樹園でエゾシカの食害が深刻 道などが対策検討へ

果物の栽培が盛んな日本海側の増毛町の果樹園では、リンゴの木の幹の皮などがエゾシカに食い荒らされる食害が相次いでいて、農家が頭を悩ませています。

増毛町は朝と夜の寒暖差や水はけがよい土地柄を生かした果物の栽培が盛んで、町内には34軒の果樹園があります。
「JAるもい増毛支所」によりますと、果樹園ではことしに入り、リンゴの木の幹の皮や芽がエゾシカに食い荒らされる食害が相次いでいて、なかには果樹の8割が被害を受けたところもあるということです。
町内の仙北昌洋さんの果樹園でもリンゴの木の3割ほどがシカの食害にあっていて、仙北さんは「かなりの痛手です。木が枯れてしまった場合、植え替えて再び収穫できるようになるまで10年近くかかります。早く対策をうたなければこの先が心配です」と話していました。
食害が急増している理由について「JAるもい増毛支所」はシカが食べるササが山で不足していることに加え、この冬の記録的な大雪で果樹園近くの川が雪に覆われ、シカが川をわたって侵入しやすくなっているためと分析しています。
事態を重くみた道の留萌振興局は今月、岩見沢市の果樹園を訪れ、エゾシカの侵入を防ぐ取り組みを視察するなどしていて、今後、食害対策を協議していく考えです。
留萌振興局の岸田隆志地域産業担当部長は「果樹園には雪が残っていて、食害の全容を把握できていない。今後、増毛町や農協と一緒に有効な対策を考えていきたい」と話しています。