身体拘束 内部通報後に懲戒解雇は“不当” 元職員が提訴へ

函館市の特別養護老人ホームで入所者への不適切な身体拘束が明らかになった問題で、元職員の女性が身体拘束の事実を市に内部通報したあと懲戒解雇されたのは不当だとして、近く、施設の運営法人に対して解雇の無効や損害賠償を求める訴えを起こすことになりました。

訴えを起こすのは、函館市の特別養護老人ホーム「恵楽園」に勤務していた元職員の女性です。
代理人の弁護士によりますと、元職員は職場で日常的に行われていた不適切な身体拘束や、介護スタッフが入所者に「くたばれ」や「死ね」と暴言を吐いていたことなどを去年、函館市に匿名で内部通報し、これをきっかけに市が問題を把握することになりましたが、元職員はその後、施設を運営する社会福祉法人から懲戒解雇されていました。
これについて、元職員は「内部通報への報復と虐待の隠蔽が目的だ」と主張し、運営法人に対して解雇の無効や慰謝料など980万円余りの支払いを求める訴えを近く、函館地方裁判所に起こすことになりました。
提訴されることについて、施設を運営する社会福祉法人「恵山恵愛会」はNHKの取材に対し「理事長が不在のためお答えできない」としています。