相次ぐ事件 各地で防犯指導や訓練 店で事件に遭遇したら

道内でコンビニエンスストアの店員が襲われるなどの事件が相次ぐ中、各地で防犯指導や防犯訓練が行われました。

【札幌北区では緊急の防犯指導】
札幌市北区にある別のコンビニエンスストアでは26日、警察官が訪れて緊急の防犯指導を行いました。
この防犯指導は札幌北警察署が始めたもので、26日は生活安全課の警察官4人が北区内にあるコンビニエンスストア2店舗を訪れ、店員に警戒の強化を呼びかけるチラシを手渡しました。
チラシでは、刃物などを持った人物が押し入った場合に備えてあらかじめ▽避難できる場所や経路を確保することや、▽防犯訓練の定期的な実施を呼びかけています。
また、警察官は、防犯用のカラーボールなどが適切な場所に設置されているかなどを確認していました。
今後、札幌北警察署では、管轄エリアにあるおよそ170店舗のコンビニエンスストアで順次、防犯指導を行うことにしています。
佐藤信太郎生活安全課長は「事件の被害に遭うかも知れないという心構えをふだんからしてもらい、実際に何かあればすぐに110番通報し安全を確保してほしい」と話していました。

【斜里町ではスーパーで不審者対応訓練】
26日、オホーツク海側の斜里町のスーパーマーケットで刃物による切りつけ事件を想定した対応訓練が行われました。
斜里町のスーパーマーケットで行われた訓練には、従業員や地元の警察官など、およそ30人が参加しました。
訓練は、レジの従業員に意味不明な言動を繰り返したり、どなり声を上げたりしていた不審者が、注意した買い物客を刃物で切りつけたという想定で行われました。
従業員たちは異変に気づくと直ちに警察へ通報したほか、さすまたや買い物かご、それにカートで不審者を取り囲むなど、警察官の到着を待つまでの手順を確認していました。
訓練に参加したスーパーマーケットの西尾公司店長は「従業員たちが一連の対応を忘れないよう継続して訓練を行っていきたい」と話していました。
道内では25日、札幌市北区のコンビニエンスストアで店員3人が刃物で刺されて死傷する事件が起きたほか、26日未明にも札幌市厚別区でコンビニ強盗が発生しています。
斜里警察署刑事・生活安全課の佐々木洋平課長は「事件はいつどこで起きるか分からないので、いざというときに備えて心構えをしておいてほしい」と話していました。

【店で事件に巻き込まれた時の対処法は】
不特定多数が利用する店舗などで客や店員として事件に巻き込まれてしまった場合にどのように対処すればいいのか、専門家に聞きました。
千葉県警の元警部補で防犯や危機管理に詳しい日本刑事技術協会上席コンサルタントの森雅人さんは「まずは犯人との間合いをとることが非常に大事で、一刻も早く遠ざかった場所に離れることを意識してほしい」と話しています。
その上で、距離をとる際の注意点について、「背中を見せず、相手の様子を観察し後ずさりしながら逃げてもらいたい。例えば店内の陳列棚にある商品を崩しながらでも距離をとって逃げることも有効だ」と指摘しています。
また、森さんによりますと、犯人から刃物などを向けられた場合は、身の回りの物で命を守る行動をすることが何よりも大事だということです。
森さんは「さすまたなどは奪われて武器に使われてしまうリスクがある。リュックやかばんを持っているときは前に抱えるように持ち替え、体の中心部分を守ることが必要だ。店の従業員であれば、手近にあるファイルなど盾になりそうな物を使うのも防御手段になりえる」と話しています。
このほか、ふだんから店側が防犯意識を高めておくことも重要だとした上で、「万一の際でも従業員1人ひとりが無意識に対応できるくらい防犯訓練を重ねてほしい。店の経営者や責任者には人命最優先で行動するよう日頃から指導してもらいたい」と話していました。