十勝岳で防災訓練 噴火でとけた雪が押し寄せる泥流を想定

大雪山系の十勝岳で、大規模な噴火でとけた雪がふもとに押し寄せる「融雪型火山泥流」を想定し、取り残された住民を救助する訓練が行われました。

十勝岳のふもとの美瑛町と上富良野町では、厳冬期の噴火に備えようと、14日から防災訓練が行われていて、2日目の15日は噴火でとけた雪が泥流となって市街地に押し寄せたという想定で取り残された住民を救助する手順などを確かめました。
このうち上富良野町での訓練には陸上自衛隊や消防、警察などから50人あまりが参加し、はじめに、ドローンを飛ばして上空から泥流が押し寄せた範囲や救助が必要な人の居場所を確認しました。
続いて、ドローンの情報をもとに現場へ救助に向かい、取り残された住民役の人たちを見つけると、ゴムボートに乗せて安全な場所まで移動しました。
そして、けがをしている人を仮設のテントに運び入れると、消防の救急隊員などが一人ひとりの状態を確認し、けがの程度に応じて治療の優先順位を決める「トリアージ」を行いました。
十勝岳はおよそ30年ごとに大規模な噴火を繰り返していて、前回・1988年の噴火からことしで36年がたちます。
富良野広域連合上富良野消防署の大竹弘祐消防係長は「参加した機関の間で救助に使う装備を互いに学べ、連携も確認できた。災害はいつ起きるか分からないので、家庭でも非常食などを用意して備えてほしい」と話していました。