道東の野生鳥獣被害額 3年連続で増加

2022年度、道東地方でのエゾシカなどの野生鳥獣による農林水産業の被害額は、計25億円余りにのぼり、3年連続で増加傾向にあることが道のまとめで分かりました。

道によりますと、道東地方で昨年度、エゾシカやヒグマなどの野生鳥獣による農林水産業の被害額は、前年度よりも1億円多い25億8200万円と、3年連続の増加となりました。
地域別では、釧路地方で14億3100万円と最も多く次いで、十勝地方で6億9200万円、根室地方で4億5900万円となっています。
エゾシカ対策をめぐっては、道は2010年度から5年間、緊急対策として駆除を進め、被害額も年々減少していましたが、2018年に恵庭市で起きた猟銃の誤射事故をきっかけに国有林などの入林規制が行われたためエゾシカの生息数の増加に伴い、被害額も増加に転じました。
道では、1月から道のエゾシカ対策推進条例に基づいて「緊急対策期間」を設定し、エゾシカの捕獲を推進することにしていますが、高齢化によるハンターの減少など、課題も残されていて、今後、どこまで対策に実効性を持たせることができるかが焦点となりそうです。
十勝総合振興局環境生活課の廣橋直子課長は「農林業被害の現状は、非常に厳しいなので、2月と3月は、一斉捕獲推進期間として効率的に個体数の削減に努めていきたい」と話していました。