十勝岳の大規模噴火を想定して避難手順など確認する防災訓練

大雪山系の十勝岳で大規模な噴火を想定して自治体や住民などが避難の手順などを確認する防災訓練が行われました。

十勝岳のふもとにある美瑛町と上富良野町で行われた訓練には6つの市や町と道、それに気象台や自衛隊などの関係機関からあわせておよそ750人が参加しました。
訓練は十勝岳が噴火して噴火警戒レベルが高齢者などの避難を求める「4」に引き上げられたという想定で行われ、はじめに美瑛町の消防署に災害対策本部が設けられました。
本部長を務める美瑛町の角和浩幸町長は町内の一部に高齢者等避難の情報を出したうえで、ドローンを使って噴火の状況を確認することなどを指示しました。
また町内では避難に支援が必要な保育所の園児たちをスクールバスに乗せて避難所まで送る訓練も行われ、住民や保護者が避難の手順を確かめていました。
十勝岳はおよそ30年ごとに大規模な噴火を繰り返していて、前回の1988年の噴火からことしで36年がたちます。
美瑛町危機対策室の多加秀樹防災マネージャーは「能登半島地震でも課題となった情報共有を徹底するためには実際の訓練が大切だと思う。住民の皆さんには訓練に積極的に参加して、いざというときには命を守るための行動をとれるようになってほしい」と話していました。
防災訓練は15日も行われ、避難所の設営や噴火で解けた雪がふもとに押し寄せる「融雪型火山泥流」を想定した住民の救助訓練などが予定されています。