阿寒摩周国立公園のエゾシカ食害 高山植物の被害も

阿寒摩周国立公園でエゾシカによる食害が問題となっていることを受けて環境省などでつくる協議会の会合が行われ、エゾシカの効果的な捕獲に向けて関係機関が連携して取り組むことを確認しました。

13日、釧路市阿寒町で開かれた会合には、環境省や地元自治体、それに自然保護活動に取り組む団体などの担当者が出席しました。
この中で環境省の職員は、去年行った調査の結果、エゾシカが国立公園内のイワブクロやコメツツジなどの高山植物を食い荒らしていることがわかったと報告しました。
また、GPSをつけたエゾシカの動きを追跡したところ、夏にオホーツク海側で食害を起こすエゾシカの多くは冬には柵の切れ目を通って弟子屈町の川湯に移動することが分かったということです。
そのうえで、会合では来年度以降も情報を広く共有し、効果的な捕獲に向けて関係機関が連携して取り組むことを確認しました。
国立公園を管理する環境省釧路自然環境事務所の柳川智巳課長は「特にシカが国立公園内の高山植物に影響を与えていることがわかり問題だと感じた。シカの季節ごとの行動を一元的に情報共有することでシカをうまく捕獲することにつなげたい」と話していました。