イトーヨーカ堂 北海道から撤退へ 道内6店舗 順次営業終了

大手スーパーのイトーヨーカ堂は、構造改革の一環として、北海道や東北などの17店舗の営業を順次、終了する方針を明らかにしました。道内ではすでに帯広市と北見市の店舗で閉店の方針が明らかになっていましたが、札幌市内の4店舗も営業を順次、終了し、北海道から撤退することになります。

イトーヨーカ堂は去年2月までの1年間の決算が3年連続の最終赤字となるなど業績の不振が続き、親会社のセブン&アイ・ホールディングスは再来年2月までの3年間で、33店舗の削減を行うなど、構造改革を進める方針を決めています。
こうした中、イトーヨーカ堂は、現在、北海道内にある6店舗と東北の▼青森、▼岩手、▼宮城、▼福島の4つの県に展開している8店舗について、順次、営業を終了し、北海道と東北から撤退する方針を固めました。
また、長野県内の2店舗と新潟県内の1店舗についても順次、営業を終了してそれぞれの県から撤退し、合わせて17店舗を削減する方針です。
道内では▼すでに閉店の方針が明らかになっていた帯広市にある帯広店と北見市にある北見店に加えて、▼札幌市西区にある琴似店、▼東区にあるアリオ札幌店、▼北区にある屯田店、▼豊平区にある福住店のあわせて6店舗すべてが順次、営業を終了し、イトーヨーカ堂は北海道から撤退することになります。
このうち、▼屯田店はことし7月ごろに閉店し、琴似店は来年1月ごろに閉店したあと、▼屯田店についてはことし8月ごろに、琴似店については来年1月ごろにいずれも食品スーパーの「ロピア」などを展開し神奈川県に本社を置く「OICグループ」に事業を引き継ぐ予定だということです。
また、▼アリオ札幌店については来年1月ごろに閉店し、資本・業務提携を結んでいる帯広市に本社がある食品スーパー「ダイイチ」に来年3月ごろに事業を引き継ぎ、「ダイイチ」はイトーヨーカ堂が運営する食品売り場に出店する予定だということです。
店舗が入るショッピングセンターの「アリオ札幌」は営業を継続するということです。
さらに、▼福住店についてはことし9月ごろの閉店を予定していますが、事業の引き継ぎ先について協議を進めているということです。
▼帯広店については、ことし6月に閉店したあと、「ダイイチ」が後継のテナントとして出店する方向で協議が進められています。
一方、▼北見店については、ことし8月ごろに閉店する予定だということです。
会社によりますと、雇用については、譲渡先での再雇用などを通じ、できるだけ維持していくということです。
【札幌の店舗の利用者は】
札幌市豊平区にある「イトーヨーカドー福住店」の利用者からは、撤退の方針について驚きの声とともに今後の買い物が不便にならないか心配する声が聞かれました。
30代の女性は「品ぞろえがよく、頻繁に利用してきたので、なくなったらどこで買い物をすればいいか心配です。同じように大きな規模のスーパーが入ってくれれば助かります」と話していました。
また、生後2か月の子どもを連れた20代の男性は「すごくびっくりしました。子どもが小さく、この店である程度何でもそろうので、できればなくならないでほしい」と話していました。
【十勝総合振興局 再就職相談の窓口設置】
「イトーヨーカドー帯広店」が、ことし6月に閉店することを受け、十勝総合振興局は、帯広市やハローワークと連携し、従業員の再就職支援などを行う「緊急雇用対策プログラム」を9日から行うと発表しました。
具体的には、従業員などから再就職に関する相談を受け付ける相談窓口を9日、十勝総合振興局に設置したほか、ことし7月上旬ごろにはハローワークなどと連携した雇用保険の受給などに関する総合相談会も行うことにしています。
また、ハローワークは、離職者支援などについて関係機関と協議する対策会議を今月22日に開き、今後の方策などについて協議することにしています。