救急隊や病院が搬送患者の情報共有で札幌市が新システム導入へ

札幌市は救急隊や病院が搬送する患者の情報を共有する新たなシステムを導入することになり、搬送時間の短縮やすみやかな処置につながることが期待されます。

札幌市消防局によりますと去年1年間に救急車が出動した件数は11万9872件と過去最多で、搬送までに30分以上かかるなどのケースは7000件を超えています。
こうした中、札幌市は救急隊や搬送先の病院が患者の情報などをすみやかに共有できるよう新たなシステムを導入することになりました。
システムでは駆けつけた救急隊員が患者の病状や容体、けがの程度などを専用のアプリに入力すると、受け入れ可能な病院の候補が自動的に表示されます。
そして実際に搬送が可能か電話で問い合わせたときには、病院側はアプリに入力された患者の情報を確認しながら受け入れを判断できるということです。
これまで救急隊員は患者の情報を手書きで記入し、病院に順番に電話をかけて口頭で病状などを説明していたということで、搬送時間の短縮やすみやかな処置につながることが期待されます。
新たなシステムは今月19日から本格的な運用が始まり、市内の医療機関あわせて51施設が対象となります。
秋元市長は記者会見で「これまで以上に安心・安全な救急医療を提供できるよう努力していきたい」と話していました。