「国立公園の名称に十勝」自然保護団体が反対

ことし夏ごろに国立公園に指定される見通しの「日高山脈襟裳国定公園」について、地元の自治体が新たな名称に「十勝」を加えるよう国に要望したことを受け、道内の自然保護団体が「観光目的の開発を助長するおそれがある」として反対する声明を発表しました。

十勝地方と日高地方の13市町村の首長は、日本有数の食料基地である十勝平野と背後に控える日高山脈が現在の美しい風景を作り出しているとして、国立公園の名称を「日高山脈襟裳十勝国立公園」とするよう環境省に求めています。
これについて十勝自然保護協会と北海道自然保護連合が7日会見を開き、「保護すべき独立した自然地域が十勝で新たに見つかったわけではなく、観光利用に固執して名称を入れるのは大きな間違いだ」などとして、国立公園の名称に「十勝」を入れることに反対する声明を表明しました。
その上で、名称に十勝を入れることは手つかずの自然が残る地域で観光目的の開発を助長するおそれがあるとして、名称は「日高山脈国立公園」とすることが望ましいとの見解を示しました。
国立公園の名称は中央環境審議会での議論を踏まえて決定されます。