羅臼沖のシャチの群れ ７日は姿見えず 町 “脱出できたか”

道東の羅臼町の沖合で流氷に閉じ込められていたシャチの群れが７日になって姿が見えなくなりました。町は「流氷の密度がゆるんで、脱出できたのではないか」と話しています。

羅臼町の沖合では６日、１０頭以上のシャチの群れが流氷に囲まれて動けなくなっている様子が、トドなどの調査をしていた民間業者のドローンによって撮影されました。
映像を見た東京農業大学の小林万里教授は群れの中には子どものシャチも交じっていたと指摘し、「流氷が広がったためにシャチが海面から頭を出して息継ぎをする場所を見つけられず、泳ぐ能力が低い子どもを置いていけないのではないか」と話しています。
これを受けて、羅臼町では７日、午前と午後の２回、職員を派遣し、現場の様子を確認しましたが、陸上からはシャチの姿は見えなくなっていたということです。
町によりますと、７日朝になっていくらか流氷の密度がゆるんでいるように見えたということで、「確かなことはわからないが、シャチは昨夜からけさにかけて脱出できたのではないか」と話しています。
釧路地方気象台によりますと、現場周辺は依然として、海流に流されて南下してきた流氷に広い範囲が覆われているということです。