過重労働による自殺で遺族提訴 札幌地裁が雄武町に賠償命じる

オホーツク海側の雄武町の職員が9年前、過重労働が原因で自殺し遺族が町を訴えていた裁判で、札幌地方裁判所は6日、町に対しおよそ6500万円の賠償を命じました。

雄武町で係長をしていた男性は9年前の2015年、過重労働によって体調を崩し、自殺しました。
男性の遺族は自殺の1か月余り前まで33日間連続で勤務するなど業務が集中していたのに上司が適切な対応を怠ったとして、町を相手取りおよそ8100万円の損害賠償を求めていました。
6日の判決で札幌地裁の布施雄士裁判長は「元職員は長期間にわたり精神的負荷のかかる業務に従事した結果、精神疾患を発症して家族を残しながら自殺するに至った」などと指摘しました。
その上で、男性が自殺せずに働いていたら得られたと見込まれる「逸失利益」などを考慮して、町に対しおよそ6500万円の賠償を命じました。
この男性の自殺をめぐっては当初、公務災害と認められず、別の行政訴訟の結果、3年前の2021年にようやく公務災害と認める司法判断が示されていました。
6日の判決について雄武町の高橋健仁町長は「裁判所の判断を重く受け止め、再発防止に向けて一層、取り組みを進める」とコメントしています。