津波避難「逃げ地図」作り課題を探る

津波から安全な場所に避難するまでにかかる時間を色で示す地図、「逃げ地図」を作る取り組みが函館市で行われました。

この取り組みは北海道大学の研究グループが函館市の防災関係者を対象に開いたもので、市の職員や防災士の資格を持つ市民などおよそ40人が参加しました。
「逃げ地図」は津波が発生した際に、避難先までかかる時間を色分けして示したもので、津波の浸水が想定される市内の地図を使って行われました。
参加者たちは徒歩で3分かかる場所を濃い緑、さらに3分かかる場所を黄緑で描くなど、8種類の色えんぴつを使って避難にかかる時間を色分けしました。
その上で、線路に囲まれた地区では避難する経路が限られるため時間がかかることなど、課題を確認していました。
函館市は、北海道から岩手県にかけての沖合にある千島海溝と日本海溝沿いの巨大地震によって、最大8.7メートルの津波が到達するとされていて、津波からの迅速な避難が課題となっています。
防災士の資格を持つ函館市災害対策課の鶴岡崇男さんは「線路をまたぐ横断をめぐる議論や、避難場所が足りないといった指摘があり、今後の防災に取り組む上で重要な参考になりました」と話していました。