銃刀法改正案に知床財団が反対声明

ハーフライフル銃の規制強化などが盛り込まれた銃刀法改正案について、知床でヒグマの保護や管理を担う知床財団は、世界自然遺産の保全に大きな影響を与える可能性があるとして、反対する声明を出しました。

威力や命中精度が高いハーフライフル銃はヒグマやエゾシカの駆除で使われていますが、通常国会に提出される予定の銃刀法改正案では規制が強化され、猟銃所持の許可を受けても10年間はハーフライフル銃を使用することはできません。
これを受けて、知床でヒグマの保護や管理を担っている知床財団は1月、法改正に反対する声明を発表しました。
声明によりますと、ハーフライフル銃より射程距離が短く命中精度も低い散弾銃を使うと捕獲の成果が下がり、世界自然遺産の植生や生態系の保全などに大きな支障が出るとしています。
また、▽全国各地で発生しているクマによる被害が深刻化する可能性や、▽発砲の機会が減ることで若手ハンターの活動意欲が低下し、担い手不足が深刻化する可能性も指摘しています。
知床財団の村上拓弥さんは「野生動物の保護や管理において、確実に捕獲するためのハーフライフル銃は非常に重要な道具なので、現場の視点に立って改めて考えて欲しい」と話していました。