女子中学生自殺の調査報告書 黒塗り部分見直し来月改めて公表

3年前に札幌市の市立中学校に通っていた当時1年生の女子生徒が自殺したことをめぐり、先月公表された調査報告書について、市の教育委員会は黒塗りにした部分の見直しを進め、来月改めて公表することを決定しました。

札幌市教育委員会は先月、第三者による調査委員会の報告書を公表し、亡くなった女子生徒は学校の手書きのアンケートで繰り返し、いじめの被害を訴えていましたが、担任らが結果を共有しないまま組織的な対応がとられず、学校側の対応が不適切だったと指摘しています。
一方、公表された報告書はいじめの具体的な内容などが黒塗りにされ、実態を正確に把握することは難しいという指摘が相次ぎ、札幌市の秋元市長は見直しを検討するよう指示していました。
これを受けて、市の教育委員会は26日、個人の特定につながらない範囲で黒塗りにした部分の見直しを進め遺族の確認を得た上で、来月改めて公表することを決定しました。
また、再発防止に向けて来年度から市立の小学校と中学校に通うすべての児童・生徒を対象に、いじめに関するアンケートや心身の健康管理を行うアプリを導入する方針です。
このほか、26日は「いじめの重大事態」について昨年度までの10年間に市立の小学校と中学校であわせて12件あったことを明らかにしました。
会議のあと檜田英樹教育長は記者団に対し、「『いじめの事実を明らかにしてほしい』という遺族の気持ちに寄り添うことができておらず、大変申し訳なく思う。今後は黒塗りにした部分を公表することで再発防止に努めていきたい」と話していました。