札幌中学生死亡事故 過失運転致死罪に問われた男性に無罪判決

おととし、札幌市の交差点で女子中学生を車ではね、死亡させたとして過失運転致死の罪に問われた72歳の男性について、札幌地方裁判所は「被害者が自殺のために飛び出した疑いを否定できず、過失は認められない」などとして無罪を言い渡しました。

札幌市西区の72歳の男性はおととし、市内の交差点で横断歩道上にいた女子中学生を車ではねて、死亡させたとして過失運転致死の罪に問われました。
これまでの裁判で弁護側は中学生が自殺しようと飛び出し、衝突を回避できなかったなどと主張したのに対し、検察側は制限速度を超えて走行し、注意義務を怠るなどの過失があったと主張していました。
23日の判決で札幌地裁の井下田英樹裁判長は、防犯カメラの映像を分析するなどした結果、男性の車が衝突時に制限速度を超え、遅くとも時速84キロで走行していたと認めた一方で、「被害者が自殺のために飛び出したとの疑いを否定できない。被害者が立ち止まるはずだと判断しても不合理ではなく、飛び出してくることを具体的に予見できなかった疑いを排斥できず、過失を認めることはできない」などとして無罪を言い渡しました。
判決を受けて札幌地方検察庁の石井壯治次席検事は「判決内容を精査し、適切に対応したい」とコメントしています。