函館大火から90年 災害の記憶を伝えようと資料展

函館市で2000人以上が犠牲になった「函館大火」からことしで90年となるのに合わせて、災害の記憶を伝えようと当時の写真などを集めた資料展が函館市で開かれています。

昭和9年3月21日に発生した「函館大火」は、函館山のふもとの住宅から出た火が強風にあおられて燃え広がり、当時の函館の市街地の3分の1が焼けた火事で、2166人が犠牲になりました。
函館大火からことしで90年となるのに合わせて、市立函館博物館では災害の記憶を伝えようと当時の写真などおよそ30点を集めた資料展が開かれています。
このうち当時の新聞の号外では多くの建物が外壁だけを残して焼け落ちた街の様子が掲載されているほか、号外に掲載した写真を火事が起きてすぐに航空機で東京まで送り届けたことが記されていて、当時、国内で驚きを持って受け止められていたことがわかります。
このほか焼け跡から見つかった複数の硬貨は熱で溶けてひとつの塊に変化していて、当時の火の勢いを今に伝えています。
市立函館博物館の内田彩葉学芸員は「火災の恐ろしさに触れて、身近な防災を考えるきっかけにしてほしいです」と話していました。
この資料展はことし10月中旬まで開かれています。