別海町出身の河崎秋子さんに直木賞 地元図書館も受賞祝う

第170回直木賞に、河崎秋子さんの「ともぐい」が選ばれたことを受けて、河崎さんの出身地の道東の別海町にある図書館では、特設コーナーに飾り付けをして受賞を祝っています。

別海町図書館では河崎さんの「ともぐい」が直木賞候補になったことを受けて先月14日から特設コーナーを設け、「ともぐい」をはじめ、おととし直木賞候補となった「締め殺しの樹」や、河崎さんの作品が掲載された文芸雑誌などおよそ90点を展示しています。
河崎さんの直木賞受賞から一夜明けた18日、図書館の担当者が特設コーナーに急きょ、受賞を祝う飾り付けを行っていました。
図書館によりますと、受賞が決まってから河崎さんの作品を借りようという町民から問い合わせが増えているということです。
河崎さんは作家活動に専念する2019年まで、別海町で酪農に従事しながら執筆活動に取り組んでいたということで、別海町図書館の司書の大道侑希さんは「私たちを含め町民の皆さんが喜んでいると思います。道東の自然の厳しさや野生動物との共存の難しさなどこの地域に住む人にとって共感できる部分が多いと思うので、ぜひ作品を手に取ってほしい」と話していました。
【ゆかりの人たちも祝福】
河崎秋子さんはおよそ20年前、羊飼いの実習のため、道東の白糠町にあるめん羊牧場で勤務していて、今回受賞した「ともぐい」では、白糠町が舞台となっています。
河崎さんを指導していためん羊牧場の経営者、酒井伸吾さんは「堅苦しいぐらいの真面目な子でした。当時、彼女が『文章を書きたい』と話してくれたのを覚えています。一緒に暮らして仕事したゆかりのある白糠町を小説の中で表現してくれたことをとてもうれしく誇りに思います」と話していました。
また河崎さんの出身地、道東の別海町でも同級生たちから祝福の声が聞かれました。
小、中学校で同級生だった伊沢春奈さんは「勉強ができて小説をよく読んでいた人でした。きのうは職場でまだかまだかと発表を楽しみに待ってました。自分のことのように嬉しいです」と話していました。
同じく、小、中学校で同級生だった木嶋宏之さんは「受賞を知った瞬間は本当に驚きました。同級生として誇らしく自慢でもあるしこれからがすごく楽しみです」と話していました。