“不動産を同意なく売却された” 賠償求め社会福祉法人を提訴

道南の江差町にある社会福祉法人の施設で勤務していた知的障害のある男性が、所有する不動産を施設側によって同意なく売却されたなどとして、この社会福祉法人と理事長に対して、5800万円あまりの賠償を求める訴えを起こしました。

訴えを起こしたのは、江差町にある社会福祉法人「あすなろ福祉会」の施設で勤務していた知的障害のある60代の男性です。
訴状によりますと、男性は2018年に、所有していた不動産を施設側によって同意なく売却された上、代金5800万円あまりを男性の親族に送金されたということです。
訴状では、「知的障害を抱え自律的な意思表明が難しく、施設側の行為は極めて悪質で、違法性がある」などと主張していて、「あすなろ福祉会」と理事長に5800万円あまりの賠償を求める訴えを、9日、函館地方裁判所江差支部に起こしました。
「あすなろ福祉会」はNHKの取材に対して、「男性の親族の指示を受けて、男性を売却手続きの場に連れて行ったことはあるが、手続きはすべて親族が行った。誠に遺憾です」とコメントしています。