函館・長万部 並行在来線 道が赤字圧縮の新たな収支予測示す

北海道新幹線の札幌延伸に伴い、JRから経営が分離される函館線の函館と長万部を結ぶ区間の今後のあり方を協議する沿線自治体などの会議が開かれ、道からは、駅業務にあたる人員削減などにより赤字を減らすことができるとした新たな収支予測などが示されました。

JRから経営分離される並行在来線の函館・長万部間をめぐっては、北海道と本州を結ぶ物流の大動脈のため、国と道などは、鉄道貨物は存続させる方針を示しています。
27日は、沿線自治体と道の協議会が函館市で開かれ、道の担当者は、これまでに示した試算よりもさらに赤字額を圧縮させられるとした新たな収支の予測を示しました。
それによりますと、駅業務にあたる人員の見直しを進め人件費の削減などを図ることで、赤字をさらに圧縮できるとしています。
具体的には分離後30年間の累計で、▽第三セクター方式で存続させた場合は当初はおよそ816億円の赤字としていましたが744億円に、▽新函館北斗と函館の区間のみを維持し、残りをバスに転換した場合は510億円が391億円に、そして▽バスに転換した場合は157億円が106億円に、それぞれ圧縮できるとしています。
また、バス転換の想定として5つの路線で走らせるとした案も示されましたが、地域の実情を踏まえ、バス事業者などとさらに協議を進めるとしています。
会議のあと、八雲町の岩村克詔町長は「数字が示されたので議会や町民に説明しながら意見をまとめていきたい。より安全に人を運べるのは鉄路だと思うが、一番の課題はコストで、維持できるか検討しなければいけない」と話していました。
この協議会では、存廃の方針を再来年度、2025年度中に決めたいとしています。