【知っトク!寒さ対策】(3)〜山岳ガイドの防寒術〜

北海道の寒〜い冬を快適に、しかもお得に乗り切る方法を各分野のスペシャリストに聞くシリーズ企画「知っトク!寒さ対策」。3回目は、雪かきやウィンタースポーツなど、寒い中で体を動かすときに役立つ「山岳ガイドの防寒術」をお伝えします。

ヒマラヤやヨーロッパアルプスの名峰を数多く制覇してきた、国際山岳ガイドの宮下岳夫さんに教えてもらいました。
ポイントは、正しく重ね着して汗冷えをふせぐこと。
(1)肌着選び
通気性が高い「メッシュ状の肌着」を着ると、汗を外側へ出すため、汗冷えをふせいでくれます。
宮下さんは「あたたかい体温だけを残して汗の水分は外側に出してくれて、体はいつも乾いた状態を保ってくれる」と話していました。
メッシュの肌着がない場合は、ポリエステルなど乾きやすい化学繊維が含まれた肌着でも効果があるそうです。
(2)ウールを重ねる
肌着の上には、ウールが入った長袖シャツを重ねます。
ウールには、汗を吸って発散させる動物の毛ならではのはたらきがあるからです。
メッシュ状の肌着にウールを重ねることで空気の層が増えて保温性が高まる効果もあります。
(3)フリースを重ねる
肌触りがよく、伸縮性があるフリースはさらにあたたかい空気の層をつくってくれます。
厚手の生地がおすすめです。
(4)上着
最後に、通気性がよく、風や水を遮る上着を着ます。
さらに。
正しく重ね着をしても、手がかじかんでしまうこともありますよね。
そんなとき使える山の知恵があります。
それは、腕をシェイクすること。
ひじから指先にむかって血液を送るイメージで勢いよく腕を振ることで、筋肉と血液で指先をあたためられるそうです。
年末年始、外出する機会にぜひ試してみてください。
(「知っトク!寒さ対策」の取材・報告/札幌局 吉田翔カメラマン)