大学生襲ったクマ 過去周辺で人襲ったクマとは異なると判明

11月、福島町などにまたがる山で大学生や消防署員が相次いでクマに襲われた死傷事故を受けて、道の研究機関がこのクマを詳しく分析した結果、周辺の地域で過去に人身事故を起こしたクマではないことがわかりました。

11月2日、福島町などにまたがる大千軒岳の山中で登山のため訪れていた男子大学生がクマに襲われて遺体で見つかったほか、その2日前には消防署員も襲って2人がけがをしました。
道立総合研究機構が大千軒岳で相次いで人を襲ったクマのDNAの分析などを詳しく進めた結果、去年、松前町で高齢の夫婦を襲って大けがをさせたり、おととし、福島町で70代の女性を襲って死亡させたクマとは、いずれもDNAが一致せず異なる個体だったことがわかりました。
一方、今回のクマは、歯を調べた結果、年齢は3歳と若い個体だったということです。
道ヒグマ対策室は「常習的に人を襲ったクマではないことがわかった。まだ大人になりきっていない若いクマだったため、人間に対しての警戒心を学習する経験が十分になく、人間との不意の遭遇による事故を起こしやすかった可能性がある」と話しています。