【滞在記】火山に食文化 壮瞥町にオープンした新空間

地域にディープな人脈をもつローカルフレンズのもとに、ディレクターが1か月滞在する「ローカルフレンズ滞在記」。12月は洞爺湖に面した壮瞥町が舞台です。

まず向かったのは、町の市街地に去年オープンした施設。
ここは扉が2つあり、向かって左に行くと、読書をしたり仕事をしたりして過ごせる町のフリースペース「地域のあそびばミナミナ」。
向かって右に行くと、こだわりのチーズやワイン、コーヒーが買える商店です。
この施設をつくったのは、壮瞥町・地域おこし協力隊の前橋史子さんと今井亮輔さん。
今回、ローカルフレンズに応募してくれた2人です。
移住前、前橋さんと今井さんは神奈川県で暮らしていました。
前橋さんが地域おこし協力隊員として観光課に配属された初日、衝撃の体験が待っていました。
それは昭和新山への登山。
この場所はなんと、前橋さんの上司・三松靖志さんの家が代々受け継ぎ、守ってきた山でした。
「火山や自然に触れると人間のしがらみから解き放たれる」と話す三松さん。
着任初日の洗礼には、火山との共生を学んでほしいという思いがありました。
町のフリースペース「地域のあそびばミナミナ」は、こうした経緯から誕生したこともあり、火山について楽しく学べるイベントなども開催されています。
一方、システムエンジニアから転職してきた今井さんも大きな衝撃を受けます。
驚いたのは、洞爺湖エリアの食の豊かさでした。
移住後に出会った隣町・洞爺湖町の農家は、氷を活用して追熟させることで栄養価が高くおいしい野菜を生産。
日本を代表する星付きレストランなどに出荷しています。
地域の農家やシェフたちと交流するうち、今井さんの食への関心はさらに高まり、こだわりのワインを扱う商店を始めたのです。
最近では狩猟免許を取得し、ジビエ料理にも挑戦するなど、食への探求を続けています。
毎週火曜日から土曜日まで開いている、町のフリースペースとこだわりの商店。
壮瞥町の新たな顔として、多くの人が訪れています。