釧路川水系や斜里町の川 サケ自然産卵に着目

不漁が続くサケ資源をどう回復させるのか、これまでのふ化放流に加えてサケが自力で川を遡って卵を産む自然産卵に注目した研究や取り組みが始まっています。

釧路川水系では道立総合研究機構のさけます・内水面水産ふ化場がサケの自然産卵についての研究を進めています。
春、サケ稚魚が海に向かう季節には稚魚のうちふ化放流に加えて自然産卵のものがどれくらい含まれているのか調べています。
また、秋は、ふ化放流由来のサケと、自然産卵由来のサケ、野生の状態で世代交代しているサケの3つについて、産卵を終えたあとに死んだホッチャレを集めてそれぞれの特徴を比べるためのデータを集めています。
一方、オホーツク海側の斜里町内の河川では、自然産卵するサケが遡上しやすいように、2022年から漁業調整委員会の指示で河口での釣りの規制が拡大されました。
斜里町や地元の漁協などでは町内の河川の遡上状況の調査を続けていてこうした規制がどんな効果をもたらすか注目しています。
また、斜里町は町内の2つの河川に、香川高等専門学校の専門家の協力を得て取り外し式の魚道を堰堤に取り付け、サケやカラフトマスがより広い範囲に遡上して産卵できるようにしています。
サケを捕まえて卵を人工的にふ化させた稚魚を放流するこれまでのやり方に加えて自然産卵の力を生かして遺伝的な多様性を取り入れたり生まれる稚魚の数を増やしたりしてサケ資源回復の方法を探る研究や取り組みの行方が注目されています。