「ローカルフレンズ交換留学」〜鹿児島との交流〜

NHK北海道とNHK鹿児島で放送している「ローカルフレンズ」のコーナー。お互いの地域の良いところを学ぼうと、地域の人同士が交流する企画がスタートしました。題して「ローカルフレンズ交換留学」です。

今回は、若者の移住に関心があるオホーツク・枝幸町の鷲見道子さんが、鹿児島県の南大隅町に向かいます。南大隅町は人口6200ほどの町ですが、この20年間で700人以上の若者が訪れたそう。どこに人気の秘密があるのでしょうか。

【仕事の相談もできる海のカフェ】
南大隅町のローカルフレンズは梅木涼子さん。
NPO法人「風と土の学び舎」の代表として若者の受け入れをしています。
まず連れていってくれたのは、海沿いにあるカフェと1棟貸しの宿。
オーナーの浜田香織さんと浜田龍也さんのもとには移住希望者が数多く訪れます。
おふたりはパイナップル農家で、遊漁船も出しており、町の仕事について精通しています。
ここを訪れる若者はその情報をもとに、移住後のイメージを具体化できるというわけです。
【歓迎の心:横別府地区】
海の次は、山あいにある横別府地区へ。
ここの魅力は地元の人との心のこもった交流です。
この日もミニトマト農家・田淵悦二さんの声かけで、鷲見さんは忘年会に飛び入り参加させてもらうことになりました。
実は横別府地区では40年以上前から外国人留学生を受け入れてきた伝統があります。
貿易摩擦が社会問題化した1980年初頭に鹿児島県内ではじまった「からいも交流」です。
長年、受け入れをしてきた大久保幾美さんは「お客さんじゃなくて家族のように接している」と語ります。
横別府地区のみなさんは留学生との交流の中で、ありのままの日常がもっとも喜ばれることを学んでいました。
からいも交流で培った「来訪者を歓迎する心」は、ローカルフレンズの梅木涼子さんたちのNPO法人に引き継がれました。
今回の訪問中にも農業に関心のある若者たちが来ており、複数の農家を紹介。
これまで10軒以上の農家にお世話になる人もいました。
そんな若者たちの中からは、ライターや地域おこし協力隊など、町で活躍する人が続々と現れてきています。
「みんなが若者を応援するところが南大隅町の強み」と語る、梅木涼子さん。
北海道から訪れた鷲見道子さんは「なかなかできることじゃない」と、古き良き人間関係が持つ地域の魅力を再確認していました。