道内の半導体関連人材 3倍に増へ数値目標 協議会

先端半導体の国産化を目指す「Rapidus」の千歳市への進出に伴って半導体関連企業で必要となる人材の育成や確保に取り組む協議会が開かれ、道内の半導体関連企業に就職する理工系の人材の数を現在の3倍に増やすとする数値目標が示されました。

協議会には、北海道経済産業局のほか半導体関連企業や大学などの教育機関、それに経済団体などおよそ50の機関が参加し、北海道経済産業局の岩永正嗣局長が「半導体関連の人材育成を進めることは道内の理系人材の質を高め、そのほかの産業の競争力を高めることにも直結する」とあいさつしました。
協議会では、昨年度、道内の大学や高等専門学校などを卒業し就職した理工系の学生およそ3200人の進路についての調査結果が示されました。
それによりますと、半導体関連企業に就職した人の数はおよそ100人で、このうち道内で就職したのは40人ほどにとどまり、半数以上は道外の企業に就職している現状が報告されました。
その上で、新卒と中途を合わせて道内の半導体関連企業に就職する理工系の人材の数について、▽今年度実績の200人から▽2030年度までに年間600人に増やし、現在の3倍とする数値目標が示されました。
協議会では、こうした数値目標を盛り込んだロードマップを来年3月までに作成し、教育機関や企業と連携して人材の育成や確保を進めることにしています。
北海道経済産業局製造・情報産業課の佐々木信之課長は「全国的にも半導体関連産業の人材は不足しているが、今後、北海道においても
不足することが調査でわかった。就職者数を現状から年間で400人増やし、年間600人にするという目標は非常にチャレンジングだが、しっかりと産官学で連携することで目標を達成していけるよう取り組んでいく」と話しています。