FAでオリックスから日本ハムに移籍の山崎福也投手 入団会見

プロ野球、オリックスからFA=フリーエージェントの権利を行使して日本ハムに移籍した山崎福也投手が6日開かれた入団会見で、「エースと言われるくらい頑張っていきたい」と新天地での活躍を誓いました。

山崎投手は埼玉県所沢市出身の31歳。
左投げで、150キロ近いストレートにチェンジアップやスライダーなどの多彩な変化球を織り交ぜるピッチングが持ち味です。
山崎投手は、FAの権利を行使してオリックスから日本ハムに移籍し、日本ハムとの契約は4年で、金額は推定で総額10億円となっています。
山崎投手は6日、エスコンフィールド北海道で開かれた入団会見で、「球団の方から、『ファイターズはこれから山サキ福也という人間が入って、どんどん成長していく。球団と一緒にピッチャーとして完成していこう』ということばをかけられたことが残っています」と述べて、6球団と交渉した中で、日本ハムへの移籍を決めた理由のひとつを明かしました。
そのうえで、「今までの野球人生で満足はしていないし、ファイターズでしっかり先頭を走って、タイトルも取りたい。エースと言われるぐらい頑張っていきたい」と述べて、新天地での活躍を誓いました。
会見に同席した新庄監督は、来シーズン、エスコンフィールド北海道で最初の試合となる4月2日の楽天戦で、山崎投手を先発させることを発表し、期待の高さを表しました。
【山崎投手 移籍先を決めた要因に“北海道との深い縁”】
日本ハムに加入した山崎投手は、移籍先を決めた要因のひとつに、北海道との深い縁があったことをあげました。
埼玉県出身の山崎投手は、東京の日大三高への進学が決まっていた中学3年の時、入学に向けた健康診断に加えて、母親の勧めで頭の検査を受けたところ脳腫瘍が見つかりました。
山崎投手は当時の心境について、「『マジか』と思って、いろいろな最悪の事態を想定して、覚悟はした」と振り返りました。
その後、山崎投手は家族とともに手術を受ける病院を探し回り、たどりついたのが、当時、北海道大学病院で脳神経外科に務めていた医師の澤村豊さんでした。
山崎投手の脳腫瘍は生存率が10%未満といわれた難病で、6時間に及ぶ手術の末に生還しました。
6日の入団会見では、澤村さんがサプライズで登場し、山サキ投手に新しい出発を祝う花束を手渡しました。
澤村さんは「難しい状況での手術だったが彼の運が強かった。今までも応援していたが、戻ってきてくれた感じがしてうれしい。北海道で活躍してくれることを信じている」と山崎投手にエールを送りました。
病を乗り越えプロ野球選手になった山崎投手は、みずからの経験をもとに、脳腫瘍の患者を支援している団体の活動に賛同していて、オリックスで日本一を果たした昨シーズン終了後には、シーズン中に投げた114イニングに合わせて114万円の寄付をしました。
山崎投手は会見で北海道への思いについて、「北海道は中学3年生の時に命を救ってもらった場所でもあるので、ここで野球ができてうれしい。なんとしてもそういう方々を勇気づけられるように、そして北海道のファンの前で全力でやっていきたい」と話して、新天地での活躍を誓いました。