風力発電計画の中止求める意見書 イトウ保護連絡協議会が提出

道北の宗谷地方で民間の会社が計画している風力発電事業について絶滅危惧種の淡水魚「イトウ」の保護活動を道内で続けている協議会が中止を求める意見書を国や道などに提出しました。

宗谷地方では東京に本社がある会社「ジャパン・リニューアブル・エナジー」が稚内市と豊富町、猿払村にまたがる山間部に最大59基の風車による風力発電事業を計画しています。
会社はことし9月に事業のための工事が周辺の環境に与える影響などをまとめた「計画段階環境配慮書」を公表し自治体を通じて意見を募集していました。
これに対し絶滅危惧種の淡水魚「イトウ」の保護活動を道内で続けている協議会は「イトウの繁殖や生息に重大な負の影響を及ぼすおそれがある」として事業の中止を求める意見書を国と道、会社に提出しました。
意見書では風車の建設予定地には「イトウ」の数少ない生息地や産卵場所が含まれていて、工事が行われれば生育や産卵への影響が懸念されるなどと指摘しています。
これに対し会社は「現地がイトウの生育地であることは理解している。専門的な調査を踏まえて影響が出ない形で事業を進めていきたい」とコメントしています。