旭川夫婦殺傷 58歳被告に懲役25年の判決 旭川地裁

去年、旭川市で自宅に訪ねてきた夫婦をナイフで刺して殺傷した罪に問われている58歳の被告に対し、旭川地方裁判所は懲役25年の判決を言い渡しました。

旭川市の無職、川口和人被告(58)は去年9月、子どもが被告に叱られたことを知り、詳しい事情を聞こうと訪ねてきた当時32歳の男性をナイフで刺して殺害したほか、男性の妻にもけがをさせたとして殺人と殺人未遂の罪に問われています。
これまでの裁判員裁判で、検察が懲役25年を求刑したのに対し、弁護側は「被告は被害者の男性から危害を加えられるという恐怖に支配され、急性ストレス反応を起こした。危険が差し迫っていると誤解したことによる過剰防衛であり殺すつもりは全くなかった」などと主張していました。
1日の判決で旭川地方裁判所の小笠原義泰裁判長は「急性ストレス反応は犯行の過剰さに一定の影響を与えたものの、限定的だ。被害者は危害を加える動作や発言をしておらず、過剰防衛は成立しない」と指摘しました。
そのうえで「被害者の胸など重要な部位を何度も突き刺すなどした犯行は残忍で殺意が認められ、被告への子どものいたずらがあったとはいえ、常軌を逸した犯行というほかない」などと述べて川口被告に対し求刑どおり懲役25年の判決を言い渡しました。