札幌中心部 複合商業施設「ココノ ススキノ」30日開業

札幌市中心部で再開発が相次ぐなか、30日に新たにオープンする複合商業施設が一足早く報道陣向けに公開されました。

報道公開されたのは、札幌市中央区南4条西4丁目の「すすきの交差点」に面した複合商業施設、「ココノ ススキノ」です。
地上18階・地下2階の建物のうち、5階から6階には10のスクリーンがあるシネマコンプレックスが入り、合わせて1700余りの座席が設けられていて、迫力のある音響で映画を楽しめる「轟音シアター」や、ゆったりとした座席の「プレミアシート」なども用意されています。
また、地下2階には食品スーパーが入るほか、地下1階から地上4階には飲食店や雑貨店などあわせておよそ60のテナントが入居しています。
このうち、カジノの雰囲気を味わえるバーではブラックジャックやルーレットなどゲームを楽しみながらお酒を楽しむことができます。
さらに、地下鉄のすすきの駅と直結する地下2階と地下1階には、かつて「ロビ地下」の愛称で親しまれたススキノの待ち合わせスポットをイメージさせる憩いのスペースが設けられ、利用者は携帯電話やパソコンなどを充電できるコンセントを自由に使用することができます。
このほか、地上2階と3階部分には「すすきの交差点」を一望できる屋外広場も設けられています。
開発を手がけた東急不動産都市事業ユニット開発企画本部の神川裕貴グループリーダーは「夜の街のイメージが強いススキノで、1日を通して楽しめる街の新しい顔として親しまれる施設にしたい」と話していました。
「ココノ ススキノ」は30日オープンし、一部のテナントや7階から18階に入るホテルは来月以降、順次、開業する予定です。
【建設コスト上昇で再開発に影響も】
札幌市中心部では再開発が相次いでいますが、資材価格の高騰や建設業界の人手不足の影響で、計画の変更を余儀なくされるケースも出てきています。
札幌市中心部では、▽1972年に開かれた札幌オリンピックの前後に建設された建物が完成から50年程度経過し、更新時期を迎えていることに加えて、▽北海道新幹線の札幌延伸を見据え、開発事業者の投資意欲が高まっていることを受けて、再開発の動きが活発になっています。
このうち主な再開発では、▽ことし7月に狸小路商店街に隣接する場所に都市型水族館も入る商業施設「モユクサッポロ」がオープンしました。
また、▽ことし8月に閉店したJR札幌駅前の商業施設「エスタ」の跡地とその隣接する地区には新幹線の駅に直結するビルの建設が予定されているほか、▽商業施設の「4丁目プラザ」や「ピヴォ」の跡地などでも新たなビルの建設が予定されています。
一方で、▽資材価格の高騰に加えて、▽新幹線延伸や先端半導体の国産化を目指す「Rapidus」の工場建設など大型の工事が相次いでいることも背景に人手不足が深刻化していることから、建設コストが当初の想定よりも大幅に上昇し計画の変更を余儀なくされるケースも出てきています。