道教委 年間休暇日数6日増を正式決定 夏休み延長可能に

夏の記録的な暑さを受けて、道教育委員会は22日、道立高校などの休暇に関する規則を改正し、夏休みを延長できるよう、年間の休暇日数を増やすことを正式に決めました。

22日は道教育委員会の会議が開かれ、道立高校や特別支援学校などの夏休みと冬休みについて、現在のあわせて最大50日から6日増やし、56日とする規則の改正を決めました。
夏休みと冬休みは連続した25日以内とする規定も撤廃し、来年度以降、学校長の判断で夏休みを延長できるようになります。
今回の道教委の判断は市町村の教育委員会の指標にもなり、今後道内各地の小中学校についても延長を検討する動きが加速するとみられます。
【<解説>道内の夏休み延長の動きについて】
道内の夏休み延長の動きについて、内匠記者が詳しく解説する。
Q1:ことしの夏は、命に関わるような厳しさだったが…。
A1:深刻さが分かるデータがある。
ことしの夏、熱中症やその疑いで道内で緊急搬送された人の数を週ごとにまとめると、一番多かったのは8月21日の週。
全国でも北海道が最多だった。
実は、この8月21日の前の週までに道内の多くの小中学校、高校で夏休みが終わり、21日には授業が始まっていた。
つまり、ことしは暑さがもっとも厳しかった時期が休みではなかったということになる。
Q2:このほかにも、ことしは熱中症警戒アラートが出て臨時で休校にした学校も相次いだ。
A2:どのくらい授業に影響したか。
北海道教育委員会によると、熱中症警戒アラートが出るなどした日に、道内で休校にしたり、帰る時間を早めたりした学校は、▼8月23日は294校、▼24日は699校、▼25日は751校にのぼった。
道内の公立学校はおよそ1800校あり、多い日では全体の4割の学校が影響を受けていたことになる。
文部科学省のまとめでは、去年9月時点で、学校のエアコンの設置率は北海道以外では100%に近い状態だが、道内の小中学校で20%足らず、高校では1%にも届いていない。
教室の温度の調整ができないというのも影響が大きくなった背景にあるとみられる。
Q3:今回の規則の改定が、小学校や中学校の夏休みにどう影響するか?
A3:すでに延長の方針を示しているところもある。
▼例えば札幌市は、小学校の夏休みは延長するものの冬休みを短縮することで夏と冬合計の休みはこれまでどおり50日とする方針。
一方で▼釧路市は夏休みを延長し、冬休みは今のままで、休みが今よりも増える見通し。
道内は広く、気候の違いも大きいので現場での施行錯誤が続きそうだ。